2002-10-01から1ヶ月間の記事一覧
『ライオンの海』ライオンは悲しかった。 しまうまにそう言うと、しまうまは、 「涙を流すとスッキリするよ」 と言った。 だけど、 泣こうと思っても涙は出てくれなかったから、 ライオンは涙を流す代わりに、 塩水を作ることにした。 悲しいことがあったら…
人は皆、 海に浮かぶ氷山の上に生れ落ち、 自分の体温でその氷を溶かす。 どんどん氷山は溶け、 低くなって行く。 そして、氷山が失せた時、 人は海に還る。
「書く事」が目的だからいけないんだ。 「何かを言う為」に書かなければ。 書く為に「言うべき何か」を探しているから、 僕は駄目なんだ。−−−−言いたい事なんて、一つも無い。
僕は弱過ぎて泣けない。
『時計』壊れた時計がありました。 針が指しているのは、2時14分。 子供が言いました。 「可哀相。治してあげる」 時計は答えました。 「私は幸せなんだよ」 子供は不思議そうに言いました。 「でも、時間が合っていないよ」 時計は答えました。 「合ってい…
「自分が、 強くあろうと努力しているから、 弱い人を見ると許せないんだ」−−−−弱さを許せない事は、 全然強さじゃないよ。
もしも僕が、 大気の重さに堪え切れずに 砕け散ってしまったら、 破片を集めて繋ぎ合わせて。−−−−僕は、まだ生きたい。
僕は上手く泳げない。 練習が足りないからか。 浮輪を使えば良いのだろうか。 だけど、浮輪は使いたくない。 其れは僕のくだらないポリシー。 此の淡水が悪い。 海水だったら、体が浮く分、 きっと上手く泳げる。 今よりは。 だから、僕は海を目指す。 ただ…
名前が在るから呼ぶんじゃない。 呼ぶ為に名前が在るんだ。 必要だから名前を付ける。 ただ、呼びたくて。−−−−君には名前が無いから、僕が付けてあげよう。 僕の生きる世界の中に、君が生まれた証。
待たなくても、 探さなくても、 未来は勝手にやって来る。−−−−来なくて良いよ。
鳥は気が付くと、 地面が全く見えない海の上を飛んでいました。 飛ぶしか無いと思いました。 此の二つの翼が与えられたからには。
珈琲に映る自分の顔を飲み込む様に、 君をも飲み込めたなら。 飲み込めたのなら。−−−−僕は君に飲み込まれたい。
君の言葉に傷付かない為の鎧よりも、 傷付いた事を君に悟られない為の 笑顔の仮面を手に入れたい。
失った訳じゃない。 最初から無かっただけの事だ。 僕は死ぬ訳じゃない。 最初から居なかっただけの事だ。
全ての物事は表裏一体だから、 裏を否定する事は、 表を否定する事。 表を肯定する事は、 裏を肯定する事。
此の深い穴の底に辿り着いたら、 今度は登る事だけを考えて生きよう。 君はそう言うけれど、 底なんて無い気がする。 落ち続けて行くだけの気がする。−−−−落ち続けた先には、 底じゃなくて、出口が待ってる。
悪魔こそが、 最高に美しい歌を歌う。−−−−僕は悪魔になりたい。
分かり合えないと思っている人は、 そんな事は口に出さない。 分かり合えないという事実を、 分かってもらえる筈がないと知っているから。 分かり合えないと口に出す人は、 分かり合いたいと思っている。 分かって欲しいと叫んでいる。 声にならない声で。 …
ああ、喉が渇いた。 水が欲しい。 無いなら、君の涙でも良い。−−−−悲しい思いを沢山して、 僕を満たしておくれ。