2002-10-01から1ヶ月間の記事一覧

621 ライオン

『ライオンの海』ライオンは悲しかった。 しまうまにそう言うと、しまうまは、 「涙を流すとスッキリするよ」 と言った。 だけど、 泣こうと思っても涙は出てくれなかったから、 ライオンは涙を流す代わりに、 塩水を作ることにした。 悲しいことがあったら…

620 人は皆海

人は皆、 海に浮かぶ氷山の上に生れ落ち、 自分の体温でその氷を溶かす。 どんどん氷山は溶け、 低くなって行く。 そして、氷山が失せた時、 人は海に還る。

619 書く事が

「書く事」が目的だからいけないんだ。 「何かを言う為」に書かなければ。 書く為に「言うべき何か」を探しているから、 僕は駄目なんだ。−−−−言いたい事なんて、一つも無い。

618 僕は弱過

僕は弱過ぎて泣けない。

617 時計壊れ

『時計』壊れた時計がありました。 針が指しているのは、2時14分。 子供が言いました。 「可哀相。治してあげる」 時計は答えました。 「私は幸せなんだよ」 子供は不思議そうに言いました。 「でも、時間が合っていないよ」 時計は答えました。 「合ってい…

616 自分が強

「自分が、 強くあろうと努力しているから、 弱い人を見ると許せないんだ」−−−−弱さを許せない事は、 全然強さじゃないよ。

615 もしも僕

もしも僕が、 大気の重さに堪え切れずに 砕け散ってしまったら、 破片を集めて繋ぎ合わせて。−−−−僕は、まだ生きたい。

614 僕は上手

僕は上手く泳げない。 練習が足りないからか。 浮輪を使えば良いのだろうか。 だけど、浮輪は使いたくない。 其れは僕のくだらないポリシー。 此の淡水が悪い。 海水だったら、体が浮く分、 きっと上手く泳げる。 今よりは。 だから、僕は海を目指す。 ただ…

613 名前が在

名前が在るから呼ぶんじゃない。 呼ぶ為に名前が在るんだ。 必要だから名前を付ける。 ただ、呼びたくて。−−−−君には名前が無いから、僕が付けてあげよう。 僕の生きる世界の中に、君が生まれた証。

612 待たなく

待たなくても、 探さなくても、 未来は勝手にやって来る。−−−−来なくて良いよ。

611 鳥は気が

鳥は気が付くと、 地面が全く見えない海の上を飛んでいました。 飛ぶしか無いと思いました。 此の二つの翼が与えられたからには。

610 珈琲に映

珈琲に映る自分の顔を飲み込む様に、 君をも飲み込めたなら。 飲み込めたのなら。−−−−僕は君に飲み込まれたい。

609 君の言葉

君の言葉に傷付かない為の鎧よりも、 傷付いた事を君に悟られない為の 笑顔の仮面を手に入れたい。

608 失った訳

失った訳じゃない。 最初から無かっただけの事だ。 僕は死ぬ訳じゃない。 最初から居なかっただけの事だ。

607 全ての物

全ての物事は表裏一体だから、 裏を否定する事は、 表を否定する事。 表を肯定する事は、 裏を肯定する事。

606 此の深い

此の深い穴の底に辿り着いたら、 今度は登る事だけを考えて生きよう。 君はそう言うけれど、 底なんて無い気がする。 落ち続けて行くだけの気がする。−−−−落ち続けた先には、 底じゃなくて、出口が待ってる。

605 悪魔こそ

悪魔こそが、 最高に美しい歌を歌う。−−−−僕は悪魔になりたい。

604 分かり合

分かり合えないと思っている人は、 そんな事は口に出さない。 分かり合えないという事実を、 分かってもらえる筈がないと知っているから。 分かり合えないと口に出す人は、 分かり合いたいと思っている。 分かって欲しいと叫んでいる。 声にならない声で。 …

603 ああ喉が

ああ、喉が渇いた。 水が欲しい。 無いなら、君の涙でも良い。−−−−悲しい思いを沢山して、 僕を満たしておくれ。