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長生きしたいとは全く思わないけれど、
きっと自分は長生きするのだろうと思う。
あと50年生きるのだろうと想像すると、気が遠くなる。
50年が一瞬にして過ぎてくれないものだろうか。
親を失う哀しさを味わわなくてよいように、
独りで進むその道のりを歩かなくても良いように、
50年が一瞬にして過ぎてはくれないものだろうか。
50年の間に起こるだろう小さな幸せなんて想像がつく。
その幸せを噛み締められなくたって何の問題もない。
君の目の前で笑いながら、願う。
今目を閉じて、そして開いた瞬間に
50年経ってくれていたらと。
年をとった君、年をとった自分を願う。
だけど、きっと普通に生きていても、
瞬きを重ねる内にいつの間にか50年は経つのだろう。
想像さえもつかないけれど、経つのだろう。
あと50年、私は瞬きをするだけだ。
空を見て目を閉じて、君を見て目を閉じて。
君を見て、目を閉じて。