406 先生の言

先生の言葉は耳を通り抜けた。
板書は一時間毎に消されてた。


其れでも、
覚えている事が一つ。


「平らな地図の中でも、
 川の水は山から海へと流れ出る。
 白地図に書き込む時は、
 必ず上流から書くんだ」。


此の言葉が好きだった。

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黒板消しで消せるのは、
黒板の上の世界だけ。