363 田圃の間

田圃の間を自転車で駆け抜ける時、
 風が緑色をしているの」


君は輝く目をしてそう言ったけど、
僕には空気は透明な物でしかない。
象は灰色で、
海は青く、
林檎は赤い。

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君と僕の目の前に在る物は同じけど、
見え方が全く違うんだ。


手は繋げても、心は遠い。