310 目の前に

目の前に在る大きな大きな山。
乗り越える事も迂回する事も可能だけど、
僕は此れを崩したい。


色々な方法を考えたけど、
崩す方法なんて思い付かない。
こんなに巨大な物は、
僕の力位ではびくともしないのかもしれない。


諦めて山の麓に腰を下ろす。
手を付いて空を見上げる。
ふと見ると掌に無数の砂粒。


山なんて所詮、
小さな小さな砂粒の塊なんだ。

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複雑は単純が絡まってるだけ。