太陽が言った。
「僕は、太陽になんて、なりたくなかった」。
僕は驚いた。
多くの物に力を与え、
神としても称えられる太陽。
「だって、誰も僕に近付いて来て呉れない」。
君の持つ力は強過ぎて、近寄れないんだ。
「強い力なんて欲しくなかった。
誰かに傍に居て欲しい。
だけど、僕に近付くと、皆、溶けてしまうんだ」。
僕は何も言えなかった。
「ごめん。
君を困らせるだけだね」。
僕は何も言えなかった。
今日も太陽は、世界を照らし続ける。
自分自身を燃やしながら。
−−−−
僕は、
太陽を優しく包み込む宇宙になりたい。