166 太陽が言

太陽が言った。


「僕は、太陽になんて、なりたくなかった」。


僕は驚いた。
多くの物に力を与え、
神としても称えられる太陽。


「だって、誰も僕に近付いて来て呉れない」。


君の持つ力は強過ぎて、近寄れないんだ。


「強い力なんて欲しくなかった。
 誰かに傍に居て欲しい。
 だけど、僕に近付くと、皆、溶けてしまうんだ」。


僕は何も言えなかった。


「ごめん。
 君を困らせるだけだね」。


僕は何も言えなかった。



今日も太陽は、世界を照らし続ける。
自分自身を燃やしながら。

−−−−

僕は、
太陽を優しく包み込む宇宙になりたい。