0089

僕が、直に落ち込むのは、
望みが高過ぎる所為なのかもしれない。
幾等、大きな望みを持っても、
僕の此の手で掴むのは、難しい。


其れでも、此の手を大きくすれば、
どんなに大きな望みでも掴める、と思った。


だが、手は容易には、大きくなって呉れそうも無い。


そう考えている内に気が付いた。
もっと手っ取り早い方法が在る。


望みを低くすれば、此の手でも届く。
小さくすれば、僕の手でも掴めるんだ。


−−−−


同時に、掴んだ時の喜びも、小さくなるけど。