2000-10-06 0079 「折角持っている其の種を、 如何して君は蒔かないの?」 「……僕、怖いんだ。 僕は、此の種が、何の種なのか知らないんだよ。 綺麗な花が咲くかもしれないし、 美味しい実が生るのかもしれない。 だけど、だけど本当は、 咲いちゃいけない花かもしれないんだ」 「咲いちゃいけない花なんて在るの?」 「……」 「そんな花、僕は知らない」 −−−− ケシの花だって、 咲いてはいけない訳は無い。 其の果実から、 人間がアヘンを採らなければ良いだけの事。