0057

「君が羨ましい」
と、僕が言っても気にしないで。
君の今の立ち位置に、僕が取って代わりたい、
なんて、思ってないから。
君の今の立ち位置を、羨んでいる訳じゃないから。


僕が羨むとしたら、
君が、今の立ち位置へと踏み出した、第一歩。


其の一歩が踏み出せずに、
僕は、今も此処に居る。


「今から踏み出しても、遅くは無いかい?」
其の返事を待っているから、僕は踏み出せない。
其の返事を待っているから、時は過ぎて往く。