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1065 私の歌は

私の歌はいつだって 貴方にだけ届かない歌。

1064 どんな顔

どんな顔の人が好きかなんて訊かれても わからないとしか答えようがない。 顔しかない人なんて、いないもの。

1063 歳の数だ

歳の数だけ食べる節分の豆。 歳を重ねる程に 食べきることが辛くなるのは 歳を重ねる程に 福を掴むことが難しくなるからなのか。

1062 目標のな

目標のない人の方が 欲望が強いんじゃないかな。

1061 鳥は手を

鳥は手を繋ぎ合っていては飛べない。 だから私は貴方の手を放したのよ。 私は鳥じゃないくせに。

1060 気持ちな

気持ちなんて 見えないのに 明るくなったり暗くなったり 形もないのに 大きくなったり小さくなったり 重くなったり軽くなったり あまりに面倒臭いから 気持ちなんて存在しないと 僕は自分に言い聞かせる。

1059 右腕に右

右腕に右耳を押し付けて横になる。 自分の血液の流れる音がする。 ドクドクドクドク ザッザッザッザッ 繰り返す。繰り返す。 言葉をかわす相手が欲しい。

1058 好かれた

好かれたいのと 嫌われたくないのは違う。 私は貴方に 好かれたいのかしら。 それとも 嫌われたくないだけかしら。

1057 私のこと

私のことを知って。 まず、私のことを知って。 私の駄目な所を。 私の汚い所を。 私のずるい所を。 その後で、私を好きになって。 その後で。 なんて馬鹿なことを。

1056 僕のせい

「僕のせいで泣かないでくれ」と貴方は言う。 だけど私の中には貴方に起因しない涙はないの。 貴方がいることに 貴方がいないことに起因して 私の涙は流れるの。

1055 快晴でも

快晴でも 曇り空でも 雨でも 雪でも いつも同じ気持ちでいたい。 いつも同じ自分でいたい。 雨でも たとえ、槍が降っても。

1054 歌えなく

歌えなくなったら、愛されなくなる と思っていた。 だから、歌えなくなってしまっても 歌えるふりをして愛されたかった。 だけど、 あんな歌が歌えるからといって愛される訳がない。 あんな歌が歌えないからといって愛されない訳がない。

1053 運転中2

運転中、2m隣にいつも死がある。 中央分離帯のない道路の中央にあるのは 人の良心だけだ。 おそらくその多くは無意識の良心。 1日に何台の車とすれちがうのだろう。 1日に何回、死とすれちがうのだろう。

1052 私には貴

私には貴方に与えてあげる物がないから 何一つないから だから私も貴方に求めないわ。 そう言えたなら。 何一つ求めずに、ただ、与えていられたなら。

1051 自分が淋

自分が淋しい時だけ 自分が悲しい時だけ かまって欲しい、と思う。 正しくない感情だとわかっているから 代償に自分が求められると困るから そう言わない。そう言えない。 かまってよ、かまってよ、かまってよ。

1050 日々今日

『日々。』 今日という日をどう残そうかと そんなことばかりを考えているから 何も書けなくなるんだ言えなくなるんだ。 今日が残らなくてもいいじゃないか。 輝かなくてもいいじゃないか。 こんなくだらない一日でさえ なかったならば日々にはならない。 今…

1049 心をぶれ

心をぶれさせない為に、 ひたすら仕事をしてみよう。 ただただ仕事をしていたら、 悩みがなくなり、 迷いがなくなり、 そうして、「僕」がなくなった。

1048 どんなに

どんなに曲がりくねった道も まっすぐに歩きたい。 どんなに曲がりくねった道をも。

1047 この世の

この世の中で無駄なもの。 貴方の優しさ、私の子宮。

1046 僕に手紙

僕に手紙を書いてよ。 そんな、誰に出しても差し支えなさそうな 『手紙の書き方』なんて本は捨てて、 僕に、手紙を書いてよ。

1045 君に降り

君に降り注いでいる雨と 僕に降り注いでいる雨は 同じ雨だろうか。 もし同じ雨なら、 僕が傘を差すから この雨の中を一緒に歩こう。 もし、同じ雨なら。

1044 ねぇどう

「ねぇ、どうしてせんそうはおこるの?」 子ねずみが母さんねずみに訊ねました。 「そうねぇ、多分、色々と理由はあるけれど…」 母さんねずみは続けました。 「みんな、大事なものを守りたいからじゃないかしら」 「だいじなもの?」 「そうよ。例えば…神様…

1043 もし世界

もし、世界が宗教を捨てたなら、 自分の宗教こそが一番だという そんな争いはなくなるだろう。 もし、世界が神様を捨てたなら、 自分の神様こそが正しいという そんな争いはなくなるだろう。 もし、世界が宗教を捨てたなら、 もし、世界が神様を捨てたなら、…

1042 貴方なの

貴方なのかもしれない、と、 何度繰り返したのだろう。 いつまで繰り返すのだろう。

1041 夢を叶え

「夢を叶えてしまったら、 追えなくなるから叶えない」 そう言った君を殴りたい。

1040 うずくま

うずくまる僕の目の前に 一本の手が差し出されている。 現実なのか、幻覚なのか。 僕が掴もうと手を伸ばしたら、 この手は空を切るのかもしれない。 はたから人が見ていたら、 きっと笑うのだろう。 それでも。

1039 世界に求

世界に求めてもらえなくても、 君が求めてくれるなら。

1038 自分以外

自分以外の全てが敵だ、 という忘れかけていた感覚を、 今更思い出すなんて。

1037 君は輝い

「君は輝いているから、 僕は眩しくて目を逸らしてしまう」 なんて言わないで。 私は輝けなくてもいいから、 貴方に見詰めていて欲しい。

1036 見えない

見えない物をも掴めそうな、 存在しない物まで探し出せそうな、 そんな気分。 今なら多分届くから、 いない君の手を握り、 消えた夢を追い駆けよう。